トランスファ金型・加工技術とは
トランスファ金型は、一言で説明すると「複数の工程を自動で加工できるプレス金型」と言えるでしょう。プレス加工には、「せん断加工」「曲げ加工」「絞り加工」などの加工方法があり、製品形状により様々な加工方法を組み合わせる必要があります。
トランスファ金型は異なる工程の単発型が順番に配列されており、1ショットごとに各工程の加工品が自動で次の工程へ搬送されることにより連続加工が行われます。
英語では「Transfer Die」という表現になりますが、生産現場では「TRF」と略語で表現されることが多いです。
トランスファプレス機には各工程ごとにフィンガーと呼ばれる治具が付いた専用の送り装置(フィードバー)が付いており、素材を次のように送り出します。
1.素材を挟む
2.次工程に移す
3.素材を離す
4.元の場所に戻る
この一連の動作をプレス加工と同時に行うため、多工程となる複雑な形状の製品でも連続加工ができるのです。連続加工のスピードは順送加工に比べると劣るものの、材料歩留まりに優れていることがメリットの一つとなります。
また、トランスファ金型は単発金型の集合体であることから、順送金型よりも工程に制約が少なく、絞り加工のような形状変化の大きな加工を行うのが得意とも言えるでしょう。さらに、人の手を使わずに自動で次の工程へ流すことができることから、生産面のみならず安全面においても生産現場で重宝されるプレス加工方法となります。
長野サンコーのトランスファ金型・加工技術
トランスファ金型の豊富な製造実績
弊社には創業半世紀を超える長年の蓄積による豊富なトランスファ金型の製造実績がございます。金型製造の要となる設計にはこの伝統技術と最先端の設計支援システムを用いておりますので、お客様の使用用途に最適となる部品形状を、実績と最新技術に基づいてご提案させていただくことが可能です。
設計段階での高度なシミュレーション技術
設計段階において小さなリスクも徹底的に排除することを目指しており、FMEAの実施により潜在的な故障の原因を体系的に分析することで、不具合発生の防止を実現します。
また、プレス成型シミュレーションソフトウェアの活用により、開発工程の短縮・コスト削減・品質向上も実現。構造解析や熱解析にも対応しており、構想段階からお客様と連携して技術開発を進めることができます。
トランスファ金型製造からプレス加工まで一貫対応
トランスファ金型の製造はもちろん、その後のプレス加工まで社内一貫で対応。種類豊富なプレス機を保有しておりますので、製品形状や生産数量等の諸条件に合わせて順送加工や単発加工を選択することも可能です。
また、複雑形状等により既存のプレス機だけでは加工できない製品の場合、製造を可能にするための専用機を自社で開発して加工実現を目指します。
多様な素材の量産に対応
様々な種類の素材に生産対応してきた実績から、ステンレス、アルミ、真鍮、マグネシウムなど、多種多様な素材の加工に対応することが可能です。まずはお気軽にご相談ください。
トランスファプレス加工技術の事例
サイドカットがある円筒形状の絞り加工
当社最大径(φ100)の絞り加工品
黄銅の二段絞り加工
ベーシックな円筒形状の絞り加工
2部品を専用機にて半自動カシメ接合
ベーシックな円筒絞り
ケース部分と極歯部分の二ヶ所絞り
黄銅の角絞り加工
極薄ステンレス鋼板の深絞り加工
ステンレス鋼板の深絞り加工
アルミニウム板の絞り加工
側面孔を内側から外側へ打ち抜いた加工
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